本と一口に言ってもいろいろな含みがある。

  • 記録する媒体
    アトム <-> ビット

  • 表現する媒体
    紙 <-> スクリーン・音声・点字スクリーンなど

  • 表現
    ページ区切り <-> スクロール

  • データ形式
    PDF <-> XML・テキスト・その他

  • 構造(アクセス方法)
    シーケンシャル <-> ランダム

  • 社会的位置づけ
    オーソライズされている <-> そうとも限らない
    公的 <-> 私的

  • 価格
    有料 <-> 無料

今のところ、前者のほうを暗黙のうちに前提としている人が多いみたい。紙に記 録されて流通し、ページに区切られていて、……というふうに。

でもこれらのなかで本に必須の要素や属性は一つもない。(例えば、自分が書い た、HTML形式の詩の本を、シャッフルしてランダムな順番で、text-to-speechを 使って音声読み上げで聴いているとする。それもやっぱり本を楽しんでいるのだ と思うから。)

じゃあ必須で本質的なのは何だろうか。今のところはまだ、「送り手と受け手を 結ぶ、普通の人でも手が届く媒体」くらいの曖昧なものしか思いつかない。でも この「普通の人のメディア」っていう認識は、案外悪くないんじゃないかと思っ てる。